フランツ・ペーター・シューベルト
フランツ・ペーター・シューベルト(ドイツ語: Franz Peter Schubert, 1797年1月31日 - 1828年11月19日)は、オーストリアの作曲家。各分野に名曲を残したが、とりわけドイツ歌曲において功績が大きく、「歌曲の王」と呼ばれることもある。 |
フランツ・ペーター・シューベルト
オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(Franz Schubert,1797-1828)の歌曲集『冬の旅(Winterreise)』(1827-1828)より第5曲「菩提樹(Der Lindenbaum)」です。 シューベルト死の間際といっても若干30歳そこそこですがの曲です。 体調を崩したシューベルトは、ウィーン市中心部から南西へ約20kmにあるヒンターブリュール(Hinterbruhl)という小さな町のホルドリッヒシュミーレ(Holdrichsmuhle)で静養します。ここは、ウィーンの森の中にあり,庭先にはいまでも菩提樹や泉がそのままの姿であります。そしてシューベルトの等身大の人形もあります。 さて、歌曲集『冬の旅』は、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集にシューベルトが曲をつけたものです。第1部12曲、第2部12曲、計24の歌曲からなります。ある青年が、失恋した場面から始まり、絶望、さすらいの旅に出て、最後に自害するまでの悲しい物語となっています。この「菩提樹」は第1部の5曲目です。 『冬の旅』のなかでも一番有名な曲です。 青年が菩提樹のそばを通りかかります。ピアノが菩提樹の風に揺れる葉のざわめきのように聴こえます。菩提樹の下で、昔を懐かしんで歌います。民俗音楽的です。「ここならば安らかに眠れる」とそれは死への誘いであるかのようです。 原詩(独語)訳詩 近藤朔風(1880-1915)
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