CHARITES

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優雅の女神たち 通称「三美神」


美神アプロディテの侍女
 

 最もメジャーなのは以下の3人説
・アグライア  (「輝き(aglaia)」)
・エウプロシュネ(「喜び(euphrosyne)」)
・タレイア   (「花盛り(thaleia)」)
 

異説としては次のようなものがあります
・2人説①……アウクソ   (「成長(auxo)」)
     ヘゲモネ  (「女王(hegemone)」)
・2人説②……クレタ                 (「呼ばれる女(kleta)」)
     パエンナ         (「輝く女(phaenna)」)
・3人説……エウプロシュネ(「喜び(euphrosyne)」)
     カレ                   (「美女(kale)」)
     パシテア         (「万物の女神(pasithea)」) 
 
 
その他、説得の女神ペイトもカリスの1人と言われることがあります 
 
 
 
 
 
 
両親もまた色々な説があります

 

説1)ゼウス×エウリュノメ
説2)ゼウス×ヘラ
説3)ヘリオス×アイグレ
 

 

<天上の舞姫>
美しき水の女神エウリュノメがゼウスと愛を交わして生んだ、

世にも優しく愛らしい三姉妹です。


 彼女たちは美や愛嬌、優雅といった性質の体現者であり、

当然のなりゆきとして美と愛の大女神アプロディテに忠実な侍女として

仕えています。


 女主人の世話以外の主な仕事は、ゼウスの宮殿で神々の宴会が催された際に

舞姫となり、アポロンの竪琴やムーサたちの歌に合わせて優美な輪舞を披露して

列席する神々の心を楽しませることです。


この輪舞の姿がいわゆる「三美神」として知られる図像でして、

両端の2人が前を向き、中央の1人は鑑賞者に背を向けたポーズで描かれます。

よく「3人で理想的女性の徳目である愛・純潔・美を象徴する」などと

言われますが、それはあくまで芸術作品の中だけの話であって、ギリシア神話の

カリスたちにはそのような区別はなかったと言われています。
 
<異説だらけの女神たち>
ギリシア神話に「矛盾する異説」は付き物ですが、カリスの人数や個人名、

その両親についてはとりわけたくさんの伝承があります。


一応「ゼウスとエウリュノメの娘で、人数は3人、

名前はアグライア・エウプロシュネ・タレイア」というヘシオドス説が

最もよく知られていますが、いくつかの叙事詩ではカリスたちはヘラの娘である

とされています。

ホメロスの『イリアス』ではカリスの1人としてパシテアの名前が

挙げられており、クイントゥスの『トロイア戦記』ではこのパシテアと結婚

したことで眠りの神ヒュプノスはヘラの娘婿となったと歌われています。

またコルートスの『ヘレネー誘拐』においてもヘラはカリスたちの聖なる母

であると言われています。

またそれ以外にも、地方限定ものとして「クレタとパエンナの2人」という

ラコニア説や「アウクソとヘゲモネの2人」というアテナイ説などがあり、

多種多様の説が煩雑にあります。

 

もし興味がわいたのであれば、色々さかのぼって自分なりの答えを

創ってみるのもおもしろいかもしれませんね。